文安2年(1445年)、斎藤利永が加納の東南に沓井城(旧加納城)を築き、その守護神として天満宮を勧請した。記録によれば創始は更に古く、それより100余年以前からすでに吉田郷(広江川の北方、上加納の地)に祭祀せられていたという。その後、城主斎藤利政(道三)が稲葉山城に移り沓井城は廃城となったが、天満宮は住民たちによって厚く奉斎されていた。慶長5年(1600年)関ケ原戦後、徳川家康は凱旋の折、岐阜城(旧稲葉山城)を廃し、加納城を構築した。その際に天満宮が城廓内に入ったので、新しい加納城鎮護の神として、1601年(慶長6年)これを広江川(清水川)を背にした閑静な現在地に遷座し奉った。これが加納天満宮の起源である。加納城初代城主奥平信昌、正室亀姫をはじめ住人たちの信仰は厚く、それが現代に受けつがれている。

  • 1445年(文安2年):斎藤利永が沓井城を築城する。城の守護神として天満宮を勧請する。
  • 1538年(天文7年):沓井城が廃城となる。守護神であった天満宮は地元の人々により祀られ続けたという。
  • 1601年(慶長6年):徳川家康が加納城を築城した際、現在地に遷座する。
  • 1810年(文化7年):拝殿が建立される。
  • 1868年(明治元年)頃:天満神社に改称する。
  • 1891年(明治24年):濃尾地震の被害を受ける。
  • 1924年(大正13年):県社となる。
  • 1945年(昭和20年):岐阜空襲で拝殿以外のほとんどの建物を焼失する。
  • 1948年(昭和23年):本殿を再建する。加納天満宮と改称する。
  • 2003年(平成15年)10月:本殿を新築する。戦後途絶えていた山車曳行を加納天満宮天神まつりとして復活する。

御祭神

菅原道真公  Wikipedia

 

御社殿

  • 大鳥居 大正2年の建立、明神鳥居
  • 拝殿 文化7年(1810年)に建立され、明治35年に大修理される 戦災を逃れた唯一の建造物である
  • 築地 宝暦3年(1753年)から3年かけて岩戸山から大石を運び、町方、村方の労務奉仕によって構築された
  • 本殿 文化14年に築造された本殿は昭和20年戦災で消失した その後昭和23年に再建されたが、老朽化のため平成15年菅公ご神忌1100年、加納天満宮ご鎮座400年記念として本殿が新たに築造された
  • 神門 令和元年御代替り記念事業として神門が新たに築造された
  • 石燈篭 1601年(慶長6年)の天満宮創建のものから享保・寛政・文化・天保のものがある
  • 牛像 明治27年、28年戦役戦勝記念として明治33年3月加納町戦役従軍者により奉納された 人造大理石 本殿前には、御造営に併せて奉納された青銅の牛像がある
  • 歌碑 千年餘香満天下「ことたゆも聞きつたえてやあおぐらむ 梅をあるじの神のみまへに」 題字・和歌 熊谷夜城による 明治35年3月建立
  • 句碑 「暫ハ落葉のしたや久ぐり水」東羽 明治40年1月石聲刻
  • 明治37年38年戦役紀念碑 乃木希典書 明治40年の建立
  • 殉国慰霊碑 戦争のため国に殉じた英霊の記念の碑 昭和34年の建立 題字・靖国神社宮司筑波藤麿
  • 村沢源市翁像 元加納町長 加納天満宮戦災復興の功績をもって有志により昭和29年10月に建立された 
  • 傘祖碑 加納に和傘を興した元祖 加納藩主松平丹波守光重頌徳の碑 昭和37年11月の建立
  • 筆塚 廃筆を焼き、灰を埋めて筆霊をまつる 昭和60年11月建立
  • 扇塚 日本舞踊の女性らが扇を納めて舞踊の上達を祈る 昭和39年4月29日建立 花柳素和

合祀神と境内社

  • 八幡神社 応神天皇、慶長13年奥平信昌の正室亀姫により勧請 明治42年水野町より天満宮に合祀された
  • 春日神社 天児屋根命(あめのこやねのみこと)、沓井町より合祀された
  • 出雲神社 大国主命(おおくにぬしのみこと)、天保4年 永井肥前守尚佐加納城に勧請 明治42年天満宮に合祀された
  • 神明神社 天照大御神(あまてらすおおみかみ)
  • 市神神社 大市姫命(おおいちひめのみこと)
  • 白太夫神社 渡会晴彦
  • 福寿稲荷神社 宇賀御魂神(うかのみたまのかみ)
  • 御鍬神社 豊受大神(とようけのおおかみ)
  • 津島神社 素佐之男尊(すさのおのみこと)
  • 事代主神社 事代主命(ことしろぬしのみこと)
  • 老松神社 島田忠臣
  • 紅梅神社 五十川能福

宝物

  • 山車 名古屋三層、素木造、大唐破風の屋根 高さ5メートルの鞍馬車 明治35年作 戦前は山車が町内に9台保有されていたが戦災などで多くを失い残存するのはこの鞍馬車1台である 三層で後山に向かって美しい曲線でせり上がっている 諏訪の住人の作といわれる 昭和59年3月21日岐阜市重要有形民俗文化財に指定された 
  • 三十六歌仙・六歌仙・松梅額面 拝殿の内側に掲げられている 畫は蒔田種麿 字は国井清廉の揮毫 明治36年に奉納された
  • 天満宮大額面 拝殿正面に掲げられている 貴族院議員菅原利兇の揮毫による 明治35年2月に寄進された

社務所受付時間

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