鷽替(うそかえ)神事

 

 太宰府天満宮の追儺祭で、鬼を退散させる松葉燻しの最中に煙に燻し出された熊蜂で群衆が大混乱になった時、鶯鳥が飛んできて熊蜂を退散させるという奇跡が起こった。この事が道真公が藤原時平の嘘で悲運(不幸)を受けられたことと結びついて、鷽替神事というのが行われるようになった。

 人間は年がら年中嘘ばかりついている。その一年中の嘘を反省し、嘘を鶯鳥に託して罪滅ぼしをしようという趣旨である。つまり鶯鳥札を交換し合って、凶(不幸)を吉(幸福)にとりかえる(鳥替える)という開運招福の神事である。